Machining STRATEGISTを使用工具最適化の研究に利用

大学生がVero SoftwareのMachining STRATEGISTを使って、使用工具と加工条件の多目的最適化のための新しい研究に着手しました。彼の研究は、加工作業者に対して特定業務の個別の要求に応じた、より優れた情報とより柔軟な加工環境を提供出来るシステムを生み出しました。
 
Sussex大学のAlexander Churchillによる博士課程の研究目的は、荒加工における使用工具と加工条件を短時間で最適化する事でした。彼はMachining STRATEGISTを使用して、現実的な工具ライブラリーを使いながら、以前のやり方に比べ少ない拘束条件で最適解を得る方法を見出しました。
 
“多目的最適化とは、複数目的の同時最適化を意味します。可能性のある解決方法の評価に用いられる古典的な変数は、時間と費用です。最も安価な解決策は必ずしも最も素早い解決策とは限らず、逆も真なりです。従って、ユーザーは最適な妥協案を選択肢として持って置く事が役に立つ可能性があります。”
 
既存の研究が既に加工条件の最適化に妥協案手法を適用している一方、この手法を工具選択に適用したのは彼が最初である、とAlexは言います。“荒加工で使用する工具の選択は、加工作業に大きく影響します。従って加工条件同様、使用工具の最適化は重要です。
 
“研究を通じて、私は使用工具と加工条件を同時に最適化する最初のシステムを生み出しました。それは業界に受け入れられ、幅広いソリューションを通じて、製造業にさらなる選択肢と柔軟性を提供するであろうと期待しています。”
 
Alexは言います。この研究は最初のステップですが、それはCAD/CAMソフトウェアに総加工時間、総工具費用、総製造費用などの多くの課題に道を開き、最適な妥協案を通じて加工作業に複数の異なるソリューションを提供出来ると。“管理者は個々の課題に対応する最良のソリューションを選択する事が出来ます。もし仕事が押し迫っている場合は、値段は高くても時間が短くて済むソリューションを選択するかもしれません。もし負荷の掛からない仕事であれば、時間が掛かっても安価なソリューションを選択するかもしれません。”
 
Machining STRATEGIST開発マネージャーSteve Youngsは、Alexの複数工具選択に対する多目的アプローチは、工具の組み合わせ次第でモデル上の削り残り部分を少なくし、同時に加工時間と工具摩耗を最小限に抑える事が出来ると言います。“この段階では彼の研究はまだ学究的かつ理論的な域を出ませんが、この研究は多くの製造業にとって非常に潜在的な優位性を秘めています。例えばVero softwareのVISIを使う事で、樹脂成形の流れに関する最適解を決定する事が出来ます。”
 
Veroはエンジニアリングと物理科学研究プロジェクトへの資金提供を決め、Alexと手を組む事にしました。Steve YoungsはMachining STRATEGISTを修正し、使用工具から生成される全体のストックを計測しながら1日に80,000ものテストをこなせるようにし、そして最適化アルゴリズムを使用するためのPythonインターフェイスを提供しました。
 
Alexは言います。“Machining STRATEGISTは私の研究にとって非常に重要でした。何故なら、多くの異なる種類の工具をサポートしていたからです。私は、フラットエンドミル、ボールエンドミル、そしてコーナーRエンドミルを含む工具ライブラリーを使用する事が出来ました。通常多くの研究対象はフラットエンドミルだけでしたが。”
 
Alexは最適化処理速度をさらに速めるために並列計算手法を用いた研究も行い、そのためにはMachining STRATEGISTは不可欠であったと言います。何故なら、ほんの少しの設定だけで、複数マシン上でMachining STRATEGISTを動かす事が出来たからです。“これにより、Sussex大学の持つ計算機群とクラウド上でソリューションを処理する計算機ネットワークを構築する事が出来ました。”
 
Alexは、彼の大学の指導教官Phil HusbandsとAndrew Philippidesと共同で、研究成果を2つの論文に発表しました。“荒加工における多目的使用工具とパラメーターの最適化”と“同期と非同期並列多目的進化アルゴリズムを使った使用工具最適化”の2つです。
 
Alexは、現在LondonのQueen Mary大学に研究職を得て、自立学習型ロボットの開発に携わっています。
 

 

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